思い出が形に残る喜び

家族で家の大掃除をしていると、決まって懐かしいモノを見つけ出し、掃除をさぼって物思いにふける人が出てきます。どこから見つけてきたのか、古いアルバムや子供の頃のおもちゃ、そのひとつひとつをじっくり眺め、昔を懐かしんでいる。
[SHIMADZU] 島津製作所 創業記念資料館--科学の森--

まぁ、何を隠そう私もその一人なのですが、困ったことに妻も同じタイプで二人して口だけを動かしている始末。結局、掃除が一向に前に進まず気が付くと夜になっていて、そこから焦っても時すでに遅し、遊んでいた時間は戻ってきません。それにしても、どんなに抗っても結局は掃除をさぼってしまう、この想い出の品にはどんな魔法が掛けてあるのでしょうか。

 まず、何に惹かれるのか…やはり昔の懐かしい記憶でしょう。しかし、人はどんなに記憶しようとしても、記憶単体だと簡単に忘れます。忘れるというより脳の奥底には記録されていても、簡単には出てこなくなっているのです。しかし、何かのきっかけで記憶はよみがえります。当時流行っていた曲であったり、人や物であったり、時にはふと感じる風でも記憶は呼び起されます。
TOYOTA.CO.JP~トヨタ鞍ケ池記念館~

なかでも、日常生活で触れる頻度が少なければ少ない程、昔の記憶との結びつきは強くなります。そう、大掃除をして押し入れの中から1年ぶりに発見した昔の宝物…滅多に目にしないものだからこそ、見つけた時に鮮明な記憶が呼び起されて、魅入られてしまうのです。

 そしてもうひとつ、昔から物には魂が宿ると言われています。迷信めいたものですが、私はこの考えに同意します。魂が宿ると言われると、怨念めいたモノとイメージしがちですが、そうとは限りません、持ち主の優しい気持ちも宿るのです。もちろん、これは貰い物でも変わりません、送り主の心がプレゼントには宿っているのです。

 大掃除の時、私が目に止めていたモノ、それは大抵が家族や友人からのプレゼントでした。自分で買って大事にしていた物も勿論ありますが、プレゼントの想い出にはやはり勝てません、何せ送り主と私、二人分の思い出がプレゼントにはこもっているのですから。